Booko出版

ちょっと変わった人ほどすごい作家になれる

一粒のお米から、おむすび、しめ縄作りまで!

バケツ稲づくり

著者:中村純子

  • ページ数:100
  • 価格:1300円

“令和の米騒動”に思う。1粒の種から180日、自分でおむすびを育ててみるということ

近年、世界的な食料価格の高騰や、国内での米不足の懸念が報じられるなど、私たちの食を取り巻く環境は決して安泰とは言えない状況です。かつてのような「米騒動」が、形を変えて現代に起きても不思議ではありません。

そんな時代だからこそ、私たちは改めて「食べ物を育てる」という原点に立ち返る必要があるのではないでしょうか。

「自分で育てる」という選択肢

『一粒のお米から、おむすび、しめ縄作りまで!バケツ稲づくり』の著者・中村純子さんは、本書を通じて、家庭で手軽に始められる「バケツ稲づくり」を提案しています。ベランダという小さなスペースで、たった一粒の種からお米を育て、収穫し、おむすびを握るまでの約180日間。一見、非効率にも思えるこの体験の中にこそ、現代を生きる私たちにとってかけがえのない学びと気づきが詰まっていると、中村さんは語ります。

忘れかけていた大切なこと

お金を出せば何でも簡単に手に入る現代において、私たちは食べ物がどのように育ち、食卓に届くのかを知る機会を失いつつあります。バケツ稲づくりを通して、土に触れ、水を与え、太陽の光を浴びて成長していく稲の姿を間近に見ることは、自然の恵みへの感謝の気持ちを育みます。

また、おむすび一個を作るために、どれだけの時間と手間がかかるのかを実感することで、食べ物を大切にする心が自然と生まれてくるでしょう。それは、食料不足や価格高騰といった社会的な問題に対する意識を高める第一歩にも繋がります。

生き抜く力を育む

本書の中で、中村さんは「昔の日本人が当たり前にやっていたことが、今はお金を出せば何でも簡単に手に入る時代になりました。戦争や災害、気候変動、米不足…。私たちの食を取り巻く環境は、いつ大きく変わるかわかりません。だからこそ、『自分で食べ物を育てる経験』は、これからを生き抜く力の第一歩になります」と述べています。

大規模な稲作は難しくても、バケツひとつあれば、誰でも自宅で米を育てることができます。その経験は、子どもたちにとって貴重な食育の機会となるだけでなく、大人にとっても、いざという時のための知恵や心の準備となるはずです。

まずは一歩を踏み出そう

「とはいえ、いきなり田んぼで稲作をするのはハードルが高い」。だからこそ、中村さんは「バケツ稲づくり」を勧めています。特別な道具や広い場所は必要ありません。バケツと土と種もみがあれば、誰でも気軽に始めることができます。

たった1個のおむすびを作るために、180日もの月日をかけてみる。その一見不合理な体験の中にこそ、お金や時間には代えられない感動や気づきが詰まっている――。

『一粒のお米から、おむすび、しめ縄作りまで!バケツ稲づくり』は、私たちに「育てる」という喜びと、「食べる」ということの原点を教えてくれる一冊です。この本を手に取り、あなたもベランダで小さな稲を育ててみませんか? きっと、食に対する意識、そして日々の暮らしに対する見方が、少しだけ変わるはずです。

 

書籍情報

タイトル:一粒のお米から、おむすび、しめ縄作りまで!バケツ稲づくり
著者:中村純子
発売日:2025年4月9日
価格:1300円(税別)
発行:Booko出版