Booko出版

ちょっと変わった人ほどすごい作家になれる

著者インタビュー

読んだ英語児童書は800冊以上。図書館司書として19年、本と向き合う日々。

なか なかこ(なか なかこ)

中学・高校英語で読む、世界を知るための120冊

現代英語児童書ベストセレクション ~友情・家族編~

著者:なか なかこ

ページ数:116

価格:1500

本書は「21世紀の英語児童書」という、日本ではまだ馴染みの薄い、けれど非常に現代的な切り口でした。 なぜ、今あえて「現代の児童書」を120冊も紹介する本を書こうと思ったのでしょうか。

 

児童書は、社会や時代を知るための入口

 

「この本で一番伝えたかったのは、英語児童書は単に言葉を学ぶための素材ではなく、社会や時代を知るための入口だということです」

 

なかこさんは、インターナショナルスクールや高校の図書館に勤務し、英語多読授業のサポートなどに携わってきました。 「私のような仕事をしている人間にとっては、多様な背景を持つ子どもたちが現代の物語に触れ、刺激を受ける姿を見るのは日常のことです。でも、日本で一般的に知られている英語児童書は、数十年前に出版された“名作”で止まってしまっていることが多い」

 

そこで着目したのが、21世紀以降に出版された、今の空気感を纏った作品たちでした。 「今の児童書は、LGBTQ+や移民家庭、複雑な人間関係など、現代社会のリアルを驚くほど丁寧に描いています。それらは大人にとっても、新しい視点を与えてくれるものばかりです」

 

難易度と内容、両面からのガイド

本書では、単に作品を並べるのではなく、読者が自分のレベルに合わせて本を選べるよう、6段階の読書レベルを設定しています。

 

「洋書に興味はあっても、どの本が自分に合っているのか分からず迷ってしまう方は多いです。本書では英検やTOEICの目安も示しながら、あらすじや魅力ポイントを整理しました」

 

また、各作品には物語の雰囲気を伝えるイメージイラストが添えられています。 「ブックガイドとして、ページをめくる楽しさを大切にしたかったんです。内容と難易度の両面から、まるで本屋さんを巡るように『次の一冊』を選べる構成にこだわりました」

 

商業出版の経験を経て、この形を選んだ理由

 

なかこさんは、2017年にも英語児童書のガイド本を商業出版で刊行しています。それでも今回は、自ら本を作るという道を選びました。

 

「自分の情報を整理し、体系的にまとめたいという思いがありました。書籍という形には、時間をかけてじっくり読み、必要な時にふり返ることができるという、SNSやウェブ記事にはない力があると感じています」

 

一過性ではない形で届けることで、読者との継続的な関係を築いていきたい。そんな思いが、1年6か月という制作期間を支えました。

 

大人の学び直しにこそ、手にとってほしい

 

本書の想定読者は、子どもたちだけでなく、英語をもう一度学び直したいと考えている大人たちです。

 

「本を作る前は、最後まで書ききれるか、需要はあるのかと迷うこともありました。けれど、本にすることでしか形にならない『ものの見方』が必ずあります。この本を通じて、現代の英語児童書が持つ多様な世界観に、気軽に触れてもらえたら嬉しいです」