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ちょっと変わった人ほどすごい作家になれる

ロイヤルスコーンパーティーへようこそ

著者:藤川温子

  • ページ数:134
  • 価格:1818円+税

スコーンは、ただの焼き菓子ではありません。

その背景には、スコットランド王権の象徴「スクーンの石」、イギリス王室の戴冠式、そしてアフタヌーンティーの文化が深く結びついています。

『ロイヤルスコーンパーティーへようこそ』は、アフタヌーンティーサロン「Art on Tea Table」を主宰する洋菓子・食卓芸術研究家の藤川温子さんが、スコーンをめぐる歴史や文化を、美しい写真とともにまとめた一冊です。

 

 

−−スコーンの歴史を“物語として味わう”本

 

本書の大きな魅力は、スコーンの作り方だけでなく、その背景にある文化や歴史を深く辿っていることです。

スコーンはスコットランドで生まれ、もとは「バノック」と呼ばれる素朴なパンが原型とされています。

本書では、そのスコーンの歴史がどのように今の形に進化していったかを、図解やエピソードを交えてわかりやすく紹介しています。

 

 

−−スコーンの名の由来──「スクーンの石」の壮大な物語

 

スコーンの名前の由来とされる「スクーンの石」。

これは中世のスコットランド王の戴冠に使われ、のちにイングランド王権に移された歴史を持つ、イギリス文化を語るうえで欠かせない石です。

本書では、この石がどのように王室の象徴となり、どのように歴史のなかで扱われてきたのかを丁寧に解説。

スコーンを食べる時、まったく違う“響き”を感じられるようになります。

 

 

−−ロイヤルスコーンの作り方と、なぜ“縦に切ってはいけない”のか

 

本書ではイギリスの正統派「ロイヤルスコーン」の作り方を詳しく紹介。

均一にふくらむための生地の扱い方、側面が白く立ち上がる“ロイヤルスコーン特有の姿”の秘密もわかります。

さらに多くの人が疑問に思う「スコーンはなぜ縦に切ってはいけないのか」についても、歴史的背景とともにわかりやすく説明。

単なる“マナー”ではなく、文化を尊重するための所作であることを知ることができます。

 

 

 レシピ・マナー・テーブル文化まで一冊で味わう

 

本書にはロイヤルスコーンのほかにも

  • フランボワーズコンポート

  • パッションフルーツカード

  • コロネーションチキンサンド

など、ティータイムを彩る3つのレシピも収録。

さらに、紅茶・ティーカトラリー・テーブルフラワーなど、スコーンをより美味しく楽しむための “文化としてのティータイム” を写真とともに丁寧に解説しています。

 

 

−−文化を知ると、スコーンはもっと美味しくなる

 

藤川温子さんが本書で伝えたかったのは、「背景を知ると、味わいが変わる」ということ。

王室の歴史、スコットランドの物語、アフタヌーンティーの文化を知ることで、スコーンは“単なる焼き菓子”から“文化体験”へと変わります。

紅茶を淹れ、スコーンを割るひとときが、ゆったりとした“文化の時間”になる一冊です。