看護職のためのガイド本
双子・三つ子の妊娠がわかった瞬間から、その家庭の「普通」は変わります。
多胎妊娠はハイリスク妊娠に分類され、医療的な関わりは増えます。
退院後の育児は、想像をはるかに超える体力と判断の連続です。
それでも、地域の看護職が多胎家庭に特化した保健指導を行うための資料は、これまでほとんど存在しませんでした。
日本多胎支援協会の長年の実践を1冊に
本書は、一般社団法人日本多胎支援協会が長年の実践をもとに編んだ、看護職のための実務ガイドです。
母子健康手帳交付時の初回面談から、妊娠期・新生児期退院後・生後1か月・3・4か月健診・1歳6か月健診・3歳児健診まで、時期ごとに「情報」「アセスメントの視点」「保健指導・具体策」を一覧表で示しています。
単胎とどう違うか?
それがこの本の核心です。
たとえば授乳。一人ひとりに合わせて授乳していては母親の睡眠が成立しません。同時授乳をどのタイミングで案内するか、その判断の視点が記されています。
入院している子どもがいるとき、残された親子の心理状況をどう読むか。
夫・家族が多胎妊娠を本当に受け止めているかを、どの角度から確認するか。
単胎を前提にした保健指導を多胎家庭にそのまま当てはめると、かえって追い詰めることになります。本書はその落とし穴を、現場の言葉で丁寧に示しています。
さらに、多胎育児に特有の知識——双子の発育曲線の読み方、多胎に関連する統計データ、社会資源——が「アスタリスク」付きで随所に補足されています。
知っているようで知らなかった情報が、アセスメントの精度を上げます。
多胎家庭支援チェックシート
巻末には多胎家庭支援チェックシートのQRコードも収録されています。妊娠期用・乳幼児期用それぞれ2ページで構成されており、継続的なフォローに使える実用ツールです。
妊娠初期から3歳まで、切れ目のない支援をどう作るか。多胎家庭が地域で孤立せず育てられる社会へ。現場で何をすればいいかを、この一冊が具体的に示しています。