著者インタビュー
40年以上活躍し、著書400冊以上の料理研究家が自分で出版するBookoを選んだ理由とは?
浜内千波(はまうちちなみ)
自分でしかできないことにチャレンジ
浜内千波さんといえば、ダイエットレシピからはじまり、著書400冊以上、テレビに、雑誌にと色々なメディアで活躍中です。ダイエットレシピ、健康レシピ、お手軽パンレシピなどなどジャンルは多岐にわたります。
そんな浜内さんが「商業出版では実現できない企画もある」というのが、日本語と外国語併記のレシピ本。
ちょうど昨年に、NHKサービスセンター、NHKインターナショナル(現NHK財団)と【食で世界を応援!】という日本の家庭料理の普及を通じて、国境を越えた交流の輪を広げていきたい。そんな思いを込めたプロジェクトを立ち上げました。
家庭料理を伝え続ける68歳の浜内さんが、自分で本をつくるBookoにチャレンジしはじめたのはそんな時。
もっとより多くの海外に住んでいる方や、日本語がわからない方にも日本食の魅力やちょっとした健康知識を知ってもらいたいということがきっかけでした。
世界に目を向けたら読者はもっと広がる
世の中が海外も含め、健康志向にシフトしてきています。世界無形文化遺産で和食も注目されたように、日本人の食生活は健康的だという認識は、より世界に伝わる時代になったと思います。
ただ、世界から認知されている日本食と言えば、精進料理や懐石料理のようなものか、てんぷらや、ラーメンなど。もっと日常的に食べている和食をご紹介できたらと思っていたところBookoをご紹介いただきました。
Bookoで作った本をPOD出版をすれば、世界6カ国での販売が可能。つまり世界に向けて本当に日本人が日常的に食べているような「和食」のレシピを発信できると考えているのです。
ネットやSNSではなく分厚い情報を
世界同時発売が可能
Q 商業出版ではなくBookoを選んだ理由は?
世界6カ国で同時発売が可能な点です。
いまだに海外の方の和食のイメージはすし、天ぷら、すき焼きです。一方で私がトルコの方に食事のことを伺って驚いたことがりました。トルコ料理と言えばケバブですが、ケバブの作り方を伺ったら「作ったことがありません」というのです。トルコ国内でも肉を食べないところや野菜しか食べないところに分かれているそうです。私たち日本人も毎日すしと天ぷらを食べてるわけではありませんよね。
これだけの情報社会と言っても、表面的な情報しかキャッチできないことが多いというのが現実だと気づきました。そんなこともあり、私たちの日常の和食「家庭料理」を知ってもらいたいとおもい、SNSではなく“分厚い情報”として書籍を選びました。
私の本もアジア圏ではたくさん翻訳されました。でも欧米での翻訳はありません。なかなか日本の書籍が欧米で翻訳されることはまだ少ないようです。ですので、Bookoで作った本をAmazonで世界6カ国で出版できるのはとても魅力でした。新しい読者との出会いに期待しています。
日本語と英語の併記が可能な
テンプレートがほしい
Q Bookoを使ってみた感想は?
この本はレシピを日本語と英語の併記にしました。
Bookoは素敵なテンプレートがあって、誰でも本を作れるのが魅力ですが、文字数の制限があるのは、これまでずっと商業出版しかしてこなかった私にとっては課題でした。というのも1レシピにつき、日本語と英語を併記したために、文字数が足りなくなってしまいました。
しかし、これをプロに全ページデザインしてもらうとなると相当のコストがかかってしまいますので、今後のテンプレートのバリエーションに期待したいです。
日本の食文化、日本の食材のすばらしさを
世界に伝えることで、再認識してほしい
Q3 浜内さんは基本調味料の使い方が絶妙ですね
日本の基本調味料はとても優れています。でも最近は付加価値のついた様々な調味料が人で気です。忙しい人がそれだけ多いということだと思いますが、ちょっぴり寂しい気がします。なんとかの素を入れるだけでできてしますわけですから、働きながら子育てをしているお母さんにとっては便利だと思います。子育て世代にこそ家庭料理を作ってほしいと願っています。
本来であれば、基本の調味料を使いこなすことができたら冷蔵庫の中はとてもスッキリします。でも「味つけが難しい」「味が決まらない」と悩むお母さん方は多いようです。
基本を覚えたらとても簡単で便利、バリエーションも増やせるのに残念です。
最近では海外の方がしょう油に興味を持たれています。おしょう油一つとっても、調理の仕方でいろんな味付けができますので、海外から基本調味料を盛り上げてもいいかもしれませんね。
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68歳にして新しいことにどんどんチャレンジする姿に勇気をいただきました! ありがとうございました。